2022年4月5日
2020年6月1日改正された「改正 労働施策総合推進法」により、
2022年4月1日から、中小企業での職場のパワーハラスメント防止措置の対応が義務化されました。
(2022年3月31日までは努力義務でした。)
今回の改正で、事業主が必ず講じなければならない措置の内容は次の通りです。
① 事業主の方針等の明確化および周知・啓発
・職場におけるパワハラの内容・パワハラを行ってはならない旨の方針を明確化し、労働者に周知・啓発すること
・行為者について、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等文書に規定し、労働者に周知・啓発すること
② 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
・相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知すること
・相談窓口担当者が、相談内容や状況に応じ、適切に対応できるようにすること
③ 職場におけるパワハラに関する事後の迅速かつ適切な対応
・事実関係を迅速かつ正確に確認すること
・速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行うこと
・事実関係の確認後、行為者に対する措置を適正に行うこと
・再発防止に向けた措置を講ずること(事実確認ができなかった場合も含む)
④ 併せて講ずべき措置
・相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、その旨労働者に周知すること
・相談したこと等を理由として、解雇その他不利益取り扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発すること
※労働者が事業主に相談したこと等を理由として、事業主が解雇その他の不利益な取り扱いを行うことは、労働施策総合推進法において禁止されています。
今回の法改正に際して、弊社へもお問い合わせを多くいただくのが相談窓口設置の対応についてです。
相談内容として多いのが、
・社内のハラスメント相談窓口では従業員が相談をしにくいのではないか
・社内にハラスメント相談窓口を担当できる担当者がいない
などのお話で、「外部相談窓口を設置したい」というご要望もよくお聞きします。
まずは窓口設置の目的整理を
上記の課題を解決するのに外部相談窓口サービスの導入は、確かに効果的です。
ただし、こと今回の法改正の対応としては目的の整理をしっかりと行うことが必要であると考えます。
というのも、事業主に求められている対応として「事後の迅速かつ適切な対応」も含まれているからです。
事業主は従業員からパワーハラスメント被害の相談があった際には、
パワーハラスメント発生の事実を正確に確認し、
パワーハラスメント発生の事実があれば被害者への配慮、行為者への措置、
そして再発防止に向けた措置まで実施する必要があります。
これらの対応を実施するのに必要不可欠なのは「正確な事実確認」となります。
事業者として正確な事実確認、そして事後対応を行う上で相談窓口はどのように設置するのが最適か
今回の制度の対応としては、そのポイントをぶらさずに確認することが大切です。
もちろん従業員向け外部相談窓口は、メンタルヘルス不調の早期発見や福利厚生の充実などの点で考えれば有効な手段となりえます。
事業者として、窓口設置をどんな目的ですすめるのかを整理した上で、サービスや運用を検討いただくことをお勧めいたします。
(参考)厚生労働省 労働施策総合推進法に基づく「パワーハラスメント防止措置」が中小企業の事業主にも義務化されます!
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