2021年12月3日

労働安全衛生法

労基署の指導ブーム?「健康診断事後措置」

企業様から産業医紹介依頼を頂く際、

少なくないのが「労働基準監督署から指導を受けまして…」との理由です。

 

その中でも近年非常に多いと感じるのが、

「健康診断結果の事後措置について指導を受けた」というお話です。

労働基準監督署の監督官の中で、要確認項目(ブームの指摘事項)となっている可能性があります。

 

■健康診断事後措置とは

事後措置についてお話した際、企業のご担当者や経営者の方からよく聞かれるのが

「当社はしっかり年に1回の健康診断を受けさせていますから、問題はありませんよ。」

といった回答です。

健康診断受診自体は勿論大切なことですが、事後措置とは全くの別物です。

一緒に考えてしまう勘違いが非常に多く生じています。

 

健康診断事後措置は、労働安全衛生法第 66 条の 4に定められた「医師等の意見聴取」を指します。

上記にも触れた健康診断(労働安全衛生法第 66 条第 1 項)は、病気かどうかのチェック

健康診断事後措置は、診断結果を基に従業員を就業させてもよいか(働かせてもよいか)のチェックを行うもの

となります。

 

健康診断実施後に健診機関より、本人通知用と企業保管用の結果データが提出されますが

企業保管用の結果データを使用し、

医師等により、通常勤務(が可能)・就業制限(が必要)・要休業のいずれとなる結果かの判定を

毎年の健康診断結果について実施する必要があります。

 

また事後措置を実施したことがわかる記録を残すことも大切です。

例えば一番判定数の多い「通常勤務可」のハンコを作成し、

医師が判定を行いながら個々の健診結果に判定を捺印していく等といった対応は非常にスムーズな運用となります。

(この運用の場合、就業制限・要休業については、理由と併せ個別に記載を残します。)

 

実施した記録が明確でないと、

監督官から実施していないのでは?と嫌疑をかけられ、余計な証明作業が必要となるケースもあります。

記録までしっかり残すことを徹底しましょう。

 

判定を行う医師等についてですが

事業場に産業医を選任していればその産業医に、

従業員数50名以下の事業場であれば、地域の産業保健支援センターへ依頼するのが良いでしょう。

 

産業医を選任しているが対応してくれない…

小規模事業場の数が多く、センターへの依頼をとりまとめるのが負担…

等の課題があれば、是非当社にご相談ください。

 

 

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